# Cal.SXH5｜緩急針ではなく、重力慣性で制御するムーブメント“精度の哲学”

2026-01-28

1.**緩急針とは（かんきゅうしん）、機械式時計のテンプ（バランス）に付いているヒゲゼンマイの“有効長”を少し変えて、進み／遅れ（＝精度）を微調整するためのレバー（指針）のことです。英語だと「regulator（レギュレーター）」。**

何をしている部品？機械式時計の「テンプ＋ヒゲゼンマイ」は、往復運動で時を刻む心臓部ヒゲゼンマイの有効長が短い → 振動が速くなる → 時計が進む  
ヒゲゼンマイの有効長が長い → 振動が遅くなる → 時計が遅れる  
緩急針は、ヒゲゼンマイの外側に触れる ピン（規制ピン）の位置を動かして、この有効長をわずかに変えます。

★ムーブメントでよく見る表記  
レバーの近くに 「+ / -」 や 「A/R（Advance/Retard）」 の表示があり、  
側に動かすと進む、- 側に動かすと遅れる、という意味です（メーカーにより表示の仕方は多少違います）。  
  
最近の高級機では、緩急針でヒゲの長さを触らず、**テンプの慣性（可変慣性テンプ：調整用の錘）で精度を出す**「フリースプラング（Free-sprung）」が増えています。  
理由はざっくり言うと、**緩急針方式は外乱（衝撃・姿勢差など）の影響を受けやすくなり得る**から、安定性を求める場合に別方式が選ばれます。  
いわゆる振動数はテンプの慣性とヒゲゼンマイの“硬さ”のバランスで決まります。  

1) **緩急針式（レギュレーター）の仕組み**  
緩急針の先にある「規制ピン（2本のピン）」で、ヒゲゼンマイ外周を“挟む”ようにして使います。レバーを +（進み） 側へ → 規制位置が変わり、ヒゲの有効長が短くなる → 振動が速い → 進む　-（遅れ） 側へ → 有効長が長くなる → 振動が遅い → 遅れる  
いわば「弦楽器の弦長をちょっと変えて音程を合わせる」みたいなイメージです。

2) **フリースプラング×可変慣性テンプ（緩急針なし）**  
こちらは、ヒゲゼンマイの有効長をいじらず、テンプに付いた調整用の錘（スクリュー／マスウェイト）を回して慣性を変えます。錘を調整 → テンプの慣性 I が変わる  
→ 振動が速くなったり遅くなったりして精度を合わせる。ヒゲは“自由に呼吸”でき、基本的に規制ピンで挟まない（＝緩急針が無い）

**フリースプラングのメリット**  
ヒゲに触らないので、同心性を保ちやすい → 姿勢差や外乱に強くしやすい  
規制ピン由来の摩擦・当たりが減り、安定した歩度（再現性）を狙いやすい  
高級機で重視される「長期安定」「衝撃後の変動耐性」に向く設計が組みやすい

**フリースプラングのデメリット**  
調整は“錘を回す”ので、手間と技能が要る（時間もかかりやすい）  
量産や整備の面では、緩急針式より作業性が落ちることがある  
高精度を出すには、ヒゲの品質・取付・最終調整など、周辺の作り込みが前提

どっちが高級？気になると思います。  
緩急針がある＝低級ではない（優秀な緩急針式はいくらでもある）優秀な個体の量産が出来る。  
フリースプラング＝必ず高精度でもない（調整と周辺品質が前提）個々の調整が必要。  
ただし“設計思想”としては、フリースプラングは、クロノメトリー（安定性）を突き詰めやすい構造。緩急針は、調整性・整備性・コストのバランスが良い構造。  

![](https://cdn.shopify.com/s/files/1/0641/4123/0240/files/Czapek_Calibre_SXH5-LR2.jpg?v=1769589515)

2-1.[**早速本題のSHX5（CZAPEKアンタークティックのムーブメント）の2023年 - 2024年のアップデートで何が行われたか？**](https://www.czapek.com/sxh5 "チャペック") 　緩急針を捨てフリースプラングを採用、４つのテンプ周辺をゴールド製の調整ウェイト**を備えた可変慣性テンプを採用する**。これによって個々のムーブメントの調整が必要だが組立時に調整を詰める事により高精度を実現。  
因みに文字盤には何も書いていませんが、クロノメーター規格を取得。確かに文字盤に今時クロノメーターとか何日巻きとか書くのは少しダサいかもしれないですね。自由ですが。  
  
ヒゲゼンマイを“挟んで触る”要素が減る（緩急針・カーブピンに依存しない）。  
調整はテンプ側で行うので、姿勢差を詰める方向と相性が良い。  
ただし、調整は“簡単”ではなく、時計師の技量が出るタイプ（高級機に多い思想）。  
  
2-2. **“マイクロローターは持続時間が弱い”と言われる理由と、SXH5の考え方**  
マイクロローター機で語られがちなのは、「巻き上げ効率がフルローターより不利になりやすい」という点。

ただしここで重要なのは、パワーリザーブ（設計上の持続時間）と自動巻きの巻き上げ効率（生活スタイルで変わる）は別物だということです。  
SXH5は単一香箱で60時間超を確保しつつ、ローター素材（ローターの下には通常の構造ではなくボールベアリングによって回転効率や耐久性を上げています。）機構面のアップデートで巻き上げ効率を詰め持続時間を長くするよう設計されています。

“薄い・美しい”だけで終わらせず、実用で成立させるのがSXH5の2022年から始まったムーブメントのアップデートでした。

2-3.SXH5は4Hzで>60時間を単一香箱で成立させる。ロングパワーリザーブは終盤ほどトルクが落ち、振幅が揺れて等時性が崩れやすい領域だが、SXH5は緩急針に依存しないフリースプラングを採用し、4つのゴールド慣性ブロックによる可変慣性テンプでレートとポイズを追い込む設計思想を取る。スポーツ寄りの日常使いでも“当たり負けしにくい安定感”を狙った、調速機の作法がここにあります。  
  
2-3.**単一の香箱での勝負**  
SXH5は公式に **「単一香箱で60時間超」**、さらに **香箱トルク 8.8 Nmm**を掲げています。  
単一の香箱でロングパワーリザーブを取る場合、ざっくり言うと設計はゼンマイを長く/強くして容量を稼ぐ。  
輪列・脱進機の損失（摩擦）を減らして効率を上げる。  
振動数・テンプ慣性・振幅域のバランスを最適化して、終盤でも破綻しないようにする。  
複数香箱にしてトルクを平坦化するのも定番の解法ですが（等時性・ロングパワリザに効く）、SXH5は「単一香箱」で勝負しているのがポイントです。（複数香箱にしてトルクを平坦化するのも定番の解法ですが、香箱が多いのは故障の原因であるのも事実です。）

2-4.**変慣性（inertial regulation）が“等時性”と“姿勢差”に効く理由**  
フリースプラングだと有効長で調整できないので、歩度調整はテンプの慣性（回りにくさ）で行います。緩急針の代わりにテンプのスクリュー等で慣性を変えて調整することが、精度設計で好まれる理由です。  
ここがマニア的に美味しいポイントで、可変慣性テンプは調整が難しい代わりに、平均日差（mean rate）を追い込める。  
姿勢差（静的/動的バランス）を詰めて姿勢差を減らしやすい。ヒゲの理想的な呼吸を保ちやすい（＝レートの乱れ要因を減らしやすい）。  

2-5**そしてSXH5は「4つのゴールド慣性ブロック」でそれをやる**

SXH5公式の技術欄には、「variable-inertia balance fitted with four gold inertia-block」と明記されています。  
4点で慣性を調整できる＝（理屈として）対称性を保ったまま平均レートを動かすことも、組み合わせで姿勢差を詰めることもやりやすい設計です（時計師の腕の見せ場です）。  
  
2-5.　**「等時性（トルク変動）」に対して、フリースプラングの影響**  
振幅が揺れた時の「レートの崩れ方」をマイルドにする方向  
トルクが落ちる → 振幅が落ちる → 歩度が崩れる、という流れ自体は避けづらい。  
でも、フリースプラング＋可変慣性は、調整点がテンプ側に集約され、干渉要因（カーブピン）を減らせるので、振幅変動時の挙動を“綺麗に”しやすい、という方向性があります。  
トルクカーブそのものを平坦化すること基本的には、複数香箱、定力機構（フュゼチェーン等）、ゼンマイ/香箱/輪列の設計最適化、摩擦の低減、脱進機効率といった領域の仕事です（フリースプラングは“調速機の哲学”）。  
だからSXH5の場合は、単一香箱60h・香箱トルク8.8 Nmm・4Hzという条件の中で、輪列効率や調速機設計を総合で詰めています。

  
3-1.**スイスの機械式時計のメカニカルムーブメントはどんどん進化している。では日本はどうだ？**  
  

日本の主要メーカーでもインハウスムーブメントが登場しています。  
  
・セイコー：[Grand Seiko（kodou）](https://hodinkee.jp/articles/hands-on-grand-seiko-kodo-daybreak "セイコー")がコンスタントフォースとトゥールビヨンを搭載、これはものすごい挑戦と言えます。またグランドセイコーで馴染み深いスプリングドライブはぜんまい駆動＋水晶・ICで制御しているハイブリッド型です。  
  

・オリエント オリエントスター：[Orient Star F8A62](https://hodinkee.jp/articles/orient-star-m45-f8-mechanical-moon-phase-hand-winding-2025 "オリエントスター")（自社製メカニカルムーブメント）

  
・シチズン THE CITIZEN：[Caliber 0200/0210](https://hodinkee.jp/articles/the-devil-is-in-the-detail-the-citizen-mechanical-caliber-0210 "シチズン")（自社製メカニカルムーブメント）

日本の独立時計師による腕時計は、ほとんどは汎用ムーブメントが使われています。修理を行っていると、どうしても、中身が見えてしまいます。汎用ムーブメントも部品が半永久的に残っていると考えると、悪くなく。むしろ修理しやすい。長持ちしやすい。に繋がります。  
コストや発想の実験性の問題もありますが、今後は面白い試みが行われるかもしれません。  
　もちろん日本の独立時計師の中にはベースムーブメントを作り込み面白い試みも行われています。（NAOYA HIDA & Co. Cal.3019SS：ベースムーブメントValjoux 7750、Otsuka Lotec：ベースムーブメントUnitas 6498）  
独立した小さな時計工房でムーブメントがゼロから設計されたという実例はありませんが、今後が楽しみです。  
  
コントワーヌではCZAPEKの実機を複数展示しております。ダイヤルの奥行き、ケースの収まり、ブレス／ストラップの質感など、画像では判断しにくいポイントこそ店頭で比較いただけます。気になるモデルがある方は、在庫状況の確認もお気軽にご相談ください。  

店頭で確認してほしいポイント★

オンラインでは伝わりにくいのが、裏スケの“奥行き”とテンプ周りの気配です。  
オフセンター・マイクロローターが作る輪列の景色  
ブリッジの陰影、仕上げの角度変化  
テンプの調整ウェイトが見せる「精度のための構造」  
そして装着したときのケース収まりと手首のバランス  
写真で惹かれて、実機で決まる。CZAPEKはまさにそのタイプです。  
  
**時計宝飾正規代理店 コントワーヌ[（CONTÉVANOU）](https://www.contevanou.com/collections/czapek "CZAPEK")**  
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**Tags:** CZAPEK, SHX, チャペック, ムーブメント, ムーブメントメーカー

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> Source: [時計宝飾正規代理店コントワーヌ](https://www.contevanou.com/blogs/c-museum/cal-sxh5-a-movement-controlled-by-gravitational-inertia-not-a-regulator-a-philosophy-of-precision)
