# ダブル オープン・ラチェット180年後の復刻 | チャペック原点回帰 2026年新作

2026-07-16

機械式時計の裏側を眺めていると、ひときわ目を引く大きな歯車があります。 これは一般に「角穴車」または「ラチェットホイール」と呼ばれ、主ゼンマイを巻き上げるための重要な部品です。

CZAPEK（チャペック）の手巻きムーブメント「SXH1」には、このラチェットホイールが2枚並んだ 「ダブル・オープン・ラチェット」が採用されています。

それは単なる装飾ではありません。 時計を動かすための機能、約7日間のパワーリザーブ、そして19世紀から受け継がれる意匠をひとつにした、 CZAPEKを象徴する構造です。

## そもそもラチェットホイールとは？

手巻き時計のリューズを回すと、その力は巻き上げ輪列を通じて香箱へ伝えられます。 香箱の中心には香箱真があり、その上に取り付けられている歯車がラチェットホイールです。

ラチェットホイールが香箱真を回転させることで、香箱内部の主ゼンマイが巻き上げられ、 時計を動かすエネルギーが蓄えられます。

また、ラチェットホイールは「コハゼ」と呼ばれる部品と組み合わされています。 コハゼが歯を押さえることで、巻き上げた主ゼンマイが逆方向へ戻ることを防ぎます。 手巻き時計を巻いたときに聞こえる小気味よい音も、このラチェットホイールとコハゼの働きによるものです。

## 「ダブル」と「オープン」が意味するものとは？

### ツインバレル（2つの香箱）の構造へ

CZAPEKのキャリバーSXH1は、2つの香箱を備えたツインバレル構造です。 それぞれの香箱に対応する2枚のラチェットホイールが並ぶため、 「ダブル・ラチェット」と呼ばれています。

2つの香箱に蓄えられた動力によって、SXH1は約168時間、すなわち約7日間のパワーリザーブを実現しています。 一度しっかりと巻き上げれば、約1週間にわたって動き続ける設計です。

### オープン — 機能部品を鑑賞するための透かし加工

「オープン」とは、ラチェットホイールに大きな開口部を設けた透かし構造を意味します。 円盤状の歯車をそのまま使用するのではなく、内部を大胆にくり抜くことで、 ムーブメントの奥行きや下にある機構が見えるようになります。

巻き上げる際には、透かし加工された2枚のラチェットホイールが回転します。 普段は静かに見えるムーブメントが、リューズを回した瞬間に動き出す。 その変化を視覚的に楽しめることも、ダブル・オープン・ラチェットの魅力です。

## 約7日間動くのは、ラチェットだけの効果ではない

ダブル・オープン・ラチェットについて、 「この2枚の歯車によって7日間動く」と説明されることがありますが、 厳密にはラチェットホイールだけが長時間駆動を生み出しているわけではありません。

約168時間のパワーリザーブを支えている中心的な要素は、 2つの香箱、主ゼンマイの長さ、輪列、脱進機などを含めたムーブメント全体の設計です。

ラチェットホイールは、リューズから受け取った力を香箱真へ伝え、 主ゼンマイを巻き上げるための部品です。 ダブル・オープン・ラチェットは、その重要な巻き上げ機構を隠さず、 時計の構造美として見せているのです。

## 機能部品に施される高級時計の仕上げ

CZAPEKのオープン・ラチェットには、表面を円状に整えるサーキュラーグレイン、 光を美しく反射させるポリッシュ、輪郭を斜めに削って磨き上げる面取りなどが施されています。

本来は主ゼンマイを巻くための実用部品ですが、機能するだけでは終わらせません。 歯車の形、開口部のバランス、表面仕上げ、光の反射まで計算し、 鑑賞に値する部品へと仕上げています。

これは、見えにくい場所にまで手をかけるオート・オルロジュリーの考え方を、 分かりやすく体現した部分といえるでしょう。

## 原型は1850年代の懐中時計「No.3430」答えは180年前に。

CZAPEKのダブル・オープン・ラチェットは、現代的なデザインとして突然生まれたものではありません。

その原型は、フランソワ・チャペックが1850年代に製作した 「No.3430」懐中時計に見ることができます。 この歴史的な懐中時計にも、左右に並ぶ一対のオープン・ラチェットが採用されていました。

現代のCZAPEKは、その歴史的なディテールを手巻きキャリバーSXH1に復活させました。 過去の時計をそのまま再現するのではなく、現代的なムーブメント設計や仕上げと組み合わせ、 21世紀の高級機械式時計として再構築しています。

## CZAPEK（チャペック）以外にも同じ構造はあるのか？

ツインバレルを採用する時計や、ラチェットホイールを透かし加工した時計は、 CZAPEK以外のブランドにも存在します。

ただし、ツインバレルであれば必ず2枚のラチェットホイールが見えるわけではなく、 オープンワークのラチェットホイールがあっても、それが2枚とは限りません。それぞれ違いがあります。

ブランド／モデル

主な構造

  

CZAPEK  
Quai des Bergues

ツインバレルと2枚のオープン・ラチェット

歴史的意匠として2枚のラチェットを明確に強調

Arnold & Son  
Time Pyramid

2つの香箱とスケルトン化された縦型輪列

ラチェットだけでなく、ムーブメント全体を建築的に見せる設計

F.P. Journe  
Chronomètre Souverain

2つの香箱を並列配置

ツインバレル。安定した動力供給を重視し

Vulcain  
Cricket

時刻用とアラーム用の独立した香箱

2つの香箱の用途が異なり、CZAPEKの長時間駆動用ツインバレルをアラーム用に改良

なかでもArnold & Sonの「Time Pyramid」は、2つの香箱と左右対称の構成を視覚的に楽しめるという点で、 CZAPEKと比較しやすい時計です。

一方、F.P. Journeの「Chronomètre Souverain」は、2つの香箱を並列に配置し、 脱進機へ安定した動力を供給することを重視しています。 同じツインバレルでも、ブランドによって目的や見せ方が異なることが分かります。

また、Vulcainの機械式アラーム「Cricket」にも2つの香箱がありますが、 一方は時計を動かすため、もう一方はアラームを鳴らすためのものです。 こちらもCZAPEKの構造とは目的が異なります。

## CZAPEKならではの特徴とは

CZAPEK以外にも、ツインバレルやオープンワークのラチェットホイールを採用する時計は存在します。

しかし、2枚のラチェットホイールを左右対称に配置し、 それを1850年代の自社製懐中時計から受け継ぐブランドコードとして、 現代のムーブメントに復活させている点はCZAPEKならではです。

約7日間のパワーリザーブという実用性。 リューズを巻いたときに現れる歯車の動き。 丁寧な仕上げによって生まれる光の表情。 そして、フランソワ・チャペックの時計づくりへつながる歴史。

ダブル・オープン・ラチェットは、そのすべてをムーブメントの中に凝縮しています。

## 歯車の動きに歴史が宿る！

ダブル・オープン・ラチェットとは、 2つの香箱を巻き上げる2枚のラチェットホイールに透かし加工を施し、 その構造と動きを鑑賞できるようにしたものです。

それは単に時計を豪華に見せるための装飾ではありません。 主ゼンマイを巻き上げるという確かな役割を持ちながら、 機械式時計の構造美とブランドの歴史を伝える機能部品です。

裏蓋から見える2枚の歯車は、約7日間の動力を支えるツインバレルの存在を示すと同時に、 1850年代から現代へ続くCZAPEKの時計製造の記憶を静かに語っています。

CZAPEKの時計を見る機会があれば、文字盤だけでなく、ぜひケースバックにも目を向けてみてください。 2枚のオープン・ラチェットを理解することで、そのムーブメントはこれまで以上に魅力的に見えてくるはずです。

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> Source: [時計宝飾正規代理店コントワーヌ](https://www.contevanou.com/blogs/c-museum/double-open-rachet)
