コラムホイール VS カム式 - Contévanou

コラムホイール VS カム式

コラムホイール式


円柱状の部品(コラムホイール)が回転することで、クロノグラフのスタート、ストップ、リセットといった動作を制御します。操作感の良さもさることながら、プッシュボタンを押す力が動作に影響を与えにくく、一般的に軽快で滑らかな操作感が得られます。

また部品の動きが繊細で、クロノグラフの作動が安定しやすい。ここ大事です。
*クロノグラフで有名なOMEGA社のCal.321は見た目も豪華ですが、コラムホイール式を選んだ理由には、クロノグラフのプッシュボタンを押したときの「カチ」っとする操作感もまた魅力です。カム式と比べて少し和らい感操作感があります。
そのデメリットとして、価格が高い理由もあります。当時コラムホイールを搭載し始めたOMEGAはシリコンゼンマイを搭載し始めた時から、機械保証の期間を5年間に延ばしたました。自信ありという事。
確かに視覚的な美しさではムーブメントの裏蓋から見えるコラムホイールは、複雑機構の美しさとして評価されています。欠点としては値段が高い...(部品が多く製造コストが高い!!)

カム式


製造コストが低く部品がシンプルな形状で、プレス加工などで大量生産しやすいため、コストを抑えられ大量生産が可能になりました。高い耐久性・修理のしやすさも利点として挙げられます。構造が比較的シンプルで耐久性が高く、修理費用も抑えやすい傾向がある。(バルジュー7750、ETA7750等)
カム式も負けてはいません。クロノグラフに関しては、レマニアに代表されるようにこちらも、クロノグラフの雄です。このカム式のクロノグラフの押し感は少し重めで「ガチ」っと言ったところです。

昔は「コラムホイール式=高級・優位」、「カム式=廉価・劣る」と見なされる傾向がありましたが、現代においてはカム式も技術の進歩により品質が向上し、機能的な差はほとんどなくなっています。装飾についてもカム式は進化し、シースルーバックでも美しい、薄型である等の優位点があります。私達も修理する際は部品が少ないほどシンプルで扱いやすいです。(古いパーツも手に入りやすい!)

コラムホイール VS カム式


結論どちらが良いの? コラムホイール式とカム式は「押し感」が違うのですが、ここは好みの問題です。
コラムホイール式は押しやすい、カム式は押した感が味わえるのですが、機械式時計の発展はここ急激に30年近く進歩しています。実際に実機を触って「押し感」がどちらが良いか、個体にもよりますが、まったく違います。同じ工場、同じ部品で製造されても、シースルーバックでなければ、コラムホイール式とカム式どちらを採用しているかまったくわからない時もあります。クロノグラフだけではなく、機械の個性によって機械の巻き上げの固さも変わってきます。

皆さん、インターネットで、どの腕時計が良いか悩んでいる方が多いと思いますが、実際に時計屋さんでクロノグラフを触って判断するのも面白いと思います。趣味というのは千差万別です。あなたの愛称に合う機械式時計の「押し感」「巻き上げ感」を捜しに街へ遊びに行きましょう。

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ETA7750

優れた汎用性とコストパフォーマンス
ETA7750の最大の特長は、生産性に優れた設計による高い汎用性と、それによる優れた費用対効果です。

カム式クロノグラフ機構
コラムホイール式と比べて製造が容易で、部品をプレスで打ち抜くなど大量生産に適した設計(カム式クロノグラフ)が採用されています。これにより、製造コストが抑えられ、多くのブランドが比較的安価に高性能なクロノグラフを製造できるようになりました。

汎用性の高さ
基本設計を活かした多くのバリエーション(例:7751、7753、7754など)が存在し、デイデイト表示やムーンフェイズ、GMT機能などを追加するカスタマイズ性にも優れています。IWCやブライトリング、オメガなど、多くの高級時計ブランドが7750をベースに改良を加え、自社製品に搭載しました。

Cal.321

Cal.321の最大の技術的特長は、クロノグラフの操作を司る機構に、複雑かつ優美な「コラムホイール(Column Wheel)」が採用されている点です。

滑らかな操作感
コラムホイールはカム式に比べて部品点が多く製造コストが高い反面、クロノグラフのスタート、ストップ、リセットのプッシュボタン操作が非常にスムーズで確実です。この「カチッ」とした極上の操作感は、時計愛好家がコラムホイール式を好む大きな理由の一つです。

視覚的な美しさ
裏蓋から覗くムーブメントの中央に位置するコラムホイールは、その精緻な構造と美しい様式美で、ムーブメントの芸術性を際立たせています。