TRILOBE(トリローブ) X-Nihilo パリで生まれた新型マニュファクチュールムーブメントの開発秘話
時計の中心にあるのは、必ずしも「針」である必要はありません。
TRILOBE(トリローブ)は、そんな当たり前を静かに覆してきたパリ発の独立系時計ブランドです。一般的な時計が針を動かして時間を示すのに対し、トリローブは3つのリングを動かし、固定されたインデックスで時・分・秒を読み取るという独自の表示方法を採用しています。
時間を追いかけるのではなく、時間そのものが動いていく。
その詩的で建築的な発想を、より深く、よりトリローブらしく支えるために誕生したのが、ブランド初の完全マニュファクチュールムーブメント「X-Nihilo」です。
「無からの創造」という名を持つムーブメント

X-Nihiloという名は、ラテン語の「Ex Nihilo」、つまり「無からの創造」に由来します。
この名前は、単なる飾りではありません。トリローブがこれまで築いてきた時間表現を、既存の機械に合わせるのではなく、自らの思想に合わせて一から構築するという意思を示しています。
X-Nihiloは、構想、設計、開発、試作、機械加工、装飾、組み立てまでを自社内で行う、トリローブ初のマニュファクチュールムーブメントです。TRILOBE公式では、X-NihiloがTrente-Deuxコレクションのすべてのモデルに搭載されると説明されています。
それは、単に「自社製ムーブメントを持つ」という意味にとどまりません。
トリローブにとってX-Nihiloは、時計の内部機構でありながら、ブランドの哲学そのものを形にした存在です。
何故トリローブはフランスのパリでムーブメントを作るのか

高級時計の世界では、スイス製という言葉が強い存在感を持っています。多くのブランドがスイスの専門メーカーやサプライヤーと連携しながら、精密な時計づくりを行ってきました。
その中でトリローブは、あえてパリに自社アトリエを構える道を選びました。
TRILOBE公式によると、パリの作業空間からはオペラ・ガルニエのドームやヴァンドーム柱が見えるとされ、製品チーム、機械技術者、プロトタイピング、時計製造チームが近い距離で連携することで、新しいコレクションが生まれています。
この「近さ」こそ、X-Nihilo誕生の鍵です。
デザインを考える人、機械を設計する人、試作品を作る人、実際に組み立てる時計師が同じ空気の中で対話する。図面上の美しさが、実際の部品として成立するのか。機械として正しく動くのか。仕上げた時にトリローブらしい詩情が残るのか。
その問いを、何度も近い距離で往復できることが、パリのマニュファクチュールの強みです。
海外メディアTime+Tideも、トリローブの新しいマニュファクチュールがもたらす最大の価値は、品質管理や供給網だけでなく、デザイナー、エンジニア、時計師、部品製造チームが同じ環境で常に交流できる「近接性」にあると紹介しています。
開いたアイランド構造が生む、独自の景色

X-Nihiloの特徴は、ケースバックから見える大胆な構造にも表れています。
TRILOBE公式では、このムーブメントのアーキテクチャを、開いたアイランド状の構造を中心に展開し、孤立した拡大バランスホイールを際立たせるものと説明しています。42時間のパワーリザーブを備え、技術的な精緻さと独自の美学を融合している点も特徴です。
一般的な自動巻きムーブメントでは、ローターが機構の多くを覆ってしまうことがあります。しかしX-Nihiloでは、タングステン製のオープンワークローターを採用し、機械の奥行きやバランスホイールの存在感を見せる構成になっています。
時計を裏返した時、そこにあるのは単なる機械ではありません。
余白、立体感、光の反射、ブリッジの仕上げ、歯車の重なり。まるで小さな建築物を眺めるように、ムーブメントそのものがトリローブの世界観を語ります。
「Paris–France」の刻印に込められたもの

X-Nihiloのブリッジには、「Paris–France」の刻印が入ります。
これは産地表示というだけではありません。TRILOBE公式では、この刻印のタイポグラフィはヴィンテージのパリの街角の看板から着想を得ていると説明されています。さらにサファイアケースバック越しに、ムーブメントが宙に浮かんでいるかのように見える構成も特徴です。
この刻印には、トリローブがどこから生まれ、どこで時計づくりを深めようとしているのかが表れています。
スイス時計への敬意を持ちながらも、パリの美意識、建築、アート、文学的な感性を時計の中に宿す。X-Nihiloは、その意思をムーブメントという最も本質的な部分で表現したキャリバーです。
400時間の品質管理という、見えない物語
美しいムーブメントであること。独創的な表示を持つこと。パリで作られていること。
それだけでもX-Nihiloは十分に魅力的です。しかし、このムーブメントの物語には、もうひとつ重要な要素があります。
それが、約400時間におよぶ品質管理です。
TRILOBE公式では、ムーブメントは約10名の熟練時計師によって社内で組み立てられ、組立とケーシングの後に、規則性と性能、防水性、美観という3つの側面から厳格な品質管理を受けると説明されています。さらに、精度と信頼性を確認するために合計400時間の検査が行われ、その中には装着シミュレーターを用いた72時間の動態検査も含まれています。
この400時間は、派手な数字ではありません。
むしろ、時計が完成した後に、静かに積み重ねられる時間です。腕に乗せた時に安定して動くのか。日常使用に耐えるのか。精度や信頼性は保たれているのか。外装の仕上げに乱れはないのか。
目に見える美しさの裏側で、見えない確認が何度も行われる。そこに、トリローブが独立系ブランドとして真剣に時計づくりと向き合う姿勢があります。
Trente-Deux(トランテ ドゥ)という新しい舞台

X-Nihiloが搭載されるTrente-Deuxは、トリローブにとって新しい章を象徴するコレクションです。
Trente-Deuxでは、トリローブらしいオフセンターの時間表示に加え、インテグレーテッドブレスレットやスポーティなケースデザインが組み合わされています。HODINKEEやMONOCHROMEなど海外メディアでも、Trente-Deuxはブランド初のインテグレーテッドブレスレットや、初の自社ムーブメントを備えた重要作として紹介されています。
そして2026年には、Watches & WondersでTrente-Deux Secret Editionも登場しました。
Secret Editionでは、選んだ日付、時間、場所に基づく星図を文字盤に描くという、トリローブらしい詩的な表現がTrente-Deuxの世界へ広がっています。Revolution Watchは、Trente-Deux Secret Editionを、選ばれた瞬間を星図として閉じ込めるパーソナルな作品として紹介しています。
ここでもX-Nihiloは、単なる動力源ではありません。
星の記憶、回転する時間、パリで作られた機械。そのすべてを支える、見えない心臓なのです。
X-Nihiloが示す、トリローブの未来

X-Nihiloの登場は、トリローブにとって大きな転換点です。
これまでのトリローブは、時間表示の常識を変えるブランドでした。しかしX-Nihilo以降のトリローブは、その独創的な表示を支える機械そのものまで、自らの手で作るブランドへと進化しています。
針をなくすことから始まった挑戦は、やがてパリにアトリエを構え、部品を設計し、ムーブメントを組み立て、400時間の検査を経て一本の時計を完成させるところまで進みました。
X-Nihiloは、トリローブが「他とは違う時計」を作るブランドであるだけでなく、「なぜ違う必要があるのか」を機械の奥深くで証明するムーブメントです。
時間は流れます。
トリローブの志は変わらない。
X-Nihiloは、そんなブランドの現在地を示す、パリで生まれた新しい心臓です。
東京・代々木の時計宝飾正規代理店コントワーヌでは、TRILOBE(トリローブ)の独創的な世界観をご紹介しております。針ではなく、時間そのものが動くという新しい感覚。写真だけでは伝わりにくい立体感、仕上げ、ムーブメントの美しさを、ぜひ店頭でご体感ください。
TRILOBE(トリローブ)正規販売店 コントワーヌ
時計宝飾正規代理店コントワーヌは、東京・代々木、初台、東京オペラシティ近くに店舗を構える TRILOBE(トリローブ)正規販売店です。 パリ発の独立系時計ブランドTRILOBEの独創的な時間表示や、マニュファクチュールムーブメント 「X-Nihilo(エクス・ニヒロ)」の魅力を、店頭でご紹介しております。
店舗住所:
〒151-0053 東京都渋谷区代々木4丁目28-7 西参道テラスE1
電話番号:
03-3299-8008
TRILOBEを東京でお探しの方は、ぜひコントワーヌのTRILOBEコレクションページもご覧ください。