トリローブ ゴーティマッソーノCEOインタビュー

TRILOBE(トリローブ)ゴーティエ・マッソーノ氏 来日インタビュー!!

パリに時計製造を取り戻す。X-Nihiloに込められた、長い時間と覚悟

フランス・パリ発の独立時計ブランド、TRILOBE(トリローブ)。

今回、TRILOBEの創業者でありCEOを務めるゴーティエ・マッソーノ氏が来日。コントワーヌも実際にお話を伺う機会をいただきました。

話題の中心となったのは、TRILOBE初のマニュファクチュールムーブメント「X-Nihilo(エックス・ニヒロ)」。

そして、そのムーブメントを搭載して誕生した「Trente-Deux(トラント・ドゥ)」です。

しかし、実際に話を聞いて印象に残ったのは、スペックや新機構の説明以上に、

「ここに至るまで、どれだけ長い時間をかけて考えてきたのか」「建築学、詩学、哲学」を腕時計に閉じ込めたクワイエット・ラグジュアリーを考え抜いた。

フランスの独立時計師の直接の言葉で駆られた時計の美学について直接ゴーティエ・マッソーノ氏からお話しを聴いてきました。


長い時間をかけて生まれた、TRILOBE初の自社製ムーブメント

X-Nihiloは、既存のムーブメントをベースにTRILOBEらしい表示機構を載せただけのムーブメントではありません。

構想、設計、開発、試作、部品加工、装飾、組み立てに至るまで、TRILOBE自身が時計製造へ深く踏み込むために生まれたムーブメントです。

今回ゴーティエ氏のお話を実際に伺って感じたのは、「自社製ムーブメントを作ること」そのものを目的にしていたのではない、ということです。

TRILOBEには、針ではなく回転するリングによって時間を読むという、ブランド誕生時から一貫した考え方があります。

既存の時計製造の常識に自分たちを合わせるのではなく、自分たちが表現したい時計のために、機械そのものを作る。そのために必要だったのがX-Nihiloでした。

ムーブメントを設計するだけではなく、それを実際に製造できる環境まで整える。そこには非常に長い時間が費やされています。

「新しい自社製ムーブメントを搭載しました。」その一言だけでは、X-Nihilo(エクス・ニヒロ)の背景はほとんど伝わりません。


3枚の重いディスクを常時安定的に回転させる為に、何度も実験を重ね、ディスク回転のみで動作する機構を完成し、それをX-Nihiloに組み合わせるという至難の業を何とかして作り出した。成功に導いたのはパリの独立工房トリローブ。

完成したムーブメントだけでなく、そこに至るまでの環境そのものを作り上げたこと。それこそが、このムーブメントを理解するうえで重要な部分だと感じました。


「パリでは、ブレゲ以来」

今回のインタビューで、特に印象に残った話があります。それは、パリで本格的な時計製造の体制を築くということについてでした。

ゴーティエ氏の言葉の中で語られたのが、「パリでは、ブレゲ以来とも言える出来事」という歴史的な背景です。

ここでいうブレゲとは、18世紀から19世紀にかけてパリを拠点に時計史へ大きな影響を与えた、アブラアン=ルイ・ブレゲ。

もちろん、その後フランスから時計産業そのものが消えていたわけではありません。

しかし、パリという都市の中で、時計の設計、開発、部品製造、組み立てまでを含む時計製造の体制を改めて構築していく。

TRILOBEが挑んでいるのは、単なるブランドの成長というよりも、「パリで、もう一度時計をつくる。」という大きな挑戦なのかもしれません。

これは非常に興味深い話でした。なぜならTRILOBEは、スイス時計をパリでデザインしているだけのブランドではなくなろうとしているからです。

自分たちの時計を、自分たちの思想で、自分たちの場所から生み出す。フランス=パリで完成させる。X-Nihiloは、その象徴とも言える存在です。



X-Nihiloは、スペックを競うためのムーブメントではない

X-Nihiloは自動巻きムーブメントで、TRILOBE独自の時間表示を支えるために設計されています。

しかし実物を見ながらゴーティエ氏のお話を聞いていると、数字だけを並べても、このムーブメントの面白さは十分には伝わらないと感じます。

特徴的なのは、その構造と「余白」です。ムーブメントの中央付近には大胆な空間が設けられ、その中でテンプの存在が際立つように設計されています。

大きなローターやブリッジで機構を覆い尽くすのではなく、見せたいものを残し、それ以外を削ぎ落としていく。

それはTRILOBEの時計そのものにも通じる考え方です。だからX-Nihiloを見ると、

「技術を見せつけるためのムーブメント」というよりも、「TRILOBEというブランドの考え方を、機械として形にしたムーブメント」という印象を受けます。



そして生まれた「Trente-Deux(トランテ・ドゥ)」

X-Nihiloを搭載して誕生したコレクションが「Trente-Deux」です。TRILOBEがこれまで築いてきた、針を使わずに時間そのものが動くという独創的な表示方法。

そこに、新しいケースデザイン、ブレスレット、そして自社製ムーブメントが組み合わされました。一見すると、TRILOBEとしては非常に端正な時計です。

しかし実際に時間を読もうとすると、やはり普通の時計とは違います。

文字盤の数字が動く。時間そのものが動く。そして人間は、固定された指標からその動きを読み取る。

TRILOBEがブランド創設時から続けてきた、

「針が時間を示すのではなく、時間そのものが動く。」

という考え方は変わっていません。

むしろX-Nihiloの完成によって、外側のデザインだけではなく、時計の内部までTRILOBEになった。Trente-Deuxは、そういう時計なのだと思います。


コントワーヌが実際にお話を伺って感じたこと

時計師、時計店としての発見。

まず、目にしたのはステンレス製の時計にラバーストラップが装着されていた事。著名な海外のWEB雑誌に「ステンレス一体型なのが残念、他のバリエーションもあれば良い」
と記載があった為、私共もステンレス一体型モデルしかないのか。と思っていました。

しかし実際には一体型ステンレスベルトに一つスクリューで回転出来る箇所を発見、店頭の商材でも確認。

ゴーティエ・マッソーノ氏に伺った所、スクリューを回転するとトリローブの他のストラップにも用意交換できるとの事でした。

おそらく海外誌はプロトタイプの製品を手に取ってインタビューを買いたのだと思います。
ですが、安易にラバーやレザーに変更できる事は、日本のような(フランスのような)四季がある地域ではよりファッション性に富む作品だと改めて認識しました。

今回、ゴーティエ・マッソーノ氏のお話を直接伺って、最も印象に残ったのは、TRILOBEが非常に長い時間軸で時計づくりを考えていることでした。

若いブランドだからこそ、もっと新作を増やすこともできるでしょう。

もっと分かりやすい複雑機構を発表することもできるかもしれません。

しかしTRILOBEは、一つのムーブメントを生み出すために長い時間を使い、さらに、そのムーブメントを自分たちで作るための環境まで構築しました。

これは、決して効率の良い選択ではないと思います。

しかし独立時計ブランドにとっては、効率だけでは説明できない部分にこそ、そのブランドの個性が現れるのではないでしょうか。

時計を仕入れ、さまざまなブランドの時計を日々実際に見ている販売店という立場から見ても、

「自社製ムーブメント」

という言葉だけなら、現在では決して珍しいものではありません。

大切なのは、「なぜ、自分たちで作る必要があったのか。」

という問いに対して、そのブランド自身が答えを持っているかどうかだと思います。

TRILOBEには、その答えがあります。TRILOBEの時計を完成させるために、TRILOBEのムーブメントが必要だった。

今回のお話を伺って、コントワーヌではそう感じました。


パリから、もう一度時計をつくる

TRILOBEは、まだ歴史の若い独立時計ブランドです。

しかし、その目指しているものは決して小さくありません。

時計をデザインすること。

ムーブメントを設計すること。

部品を作ること。

時計師が組み上げること。

そして、それらを再びパリという土地に集めていくこと。

X-Nihiloは、単なる新型ムーブメントではありません。

TRILOBEが、

「自分たちは、どんな時計メゾンになりたいのか。」

という問いに対して出した、一つの答えなのだと思います。

そして今回、ゴーティエ・マッソーノ氏本人から直接お話を伺ったことで、Trente-Deuxという時計の後ろにあるものが、以前よりもずっと鮮明に見えるようになりました。

時計は、完成した製品だけを見ても面白いものです。

しかし、

誰が。

なぜ。

どれほどの時間をかけて作ったのか。

そこまで知ると、その時計はさらに面白くなります。

TRILOBEは、これからどこへ向かっていくのか。

コントワーヌとしても、その続きを非常に楽しみにしています。

*このたび、TRILOBE(トリローブ)創業者 ゴーティエ・マッソーノ氏への貴重なインタビューの機会にお招きいただきました、ノーブルスタイリングの皆様に心より御礼申し上げます。

ブランドの哲学や時計づくりへの想いを、ゴーティエ氏ご本人から直接伺うことのできた、大変貴重な機会となりました。このような素晴らしい場をご用意いただきましたこと、改めまして一人の技術者として深く感謝申し上げます。


TRILOBE (トリローブ)正規販売店 コントワーヌ

コントワーヌでは、TRILOBE(トリローブ)の実機をご覧いただけます。

独創的な時間表示やケースデザイン、そして新たな自社製ムーブメントへと進化したTRILOBEの世界を、ぜひ実際の時計を手に取ってお確かめください。

時計宝飾正規代理店 CONTÉVANOU/コントワーヌ
〒151-0053
東京都渋谷区代々木4-28-7 西参道テラスE1
営業時間:11:00〜19:30
水曜定休

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TRILOBE(トリローブ)コレクション

TRILOBE ロゴ。三葉形のシンボルとブランド名。高級時計・宝飾品のデザイン要素。

TRILOBE(トリローブ)

TRILOBE(トリローブ)正規販売店|東京・代々木 時計宝飾正規代理店コントワーヌは、東京・代々木の TRILOBEトリローブ 正規販売店です。 パリ発の独立系時計ブランド TRILOBEトリローブが生み出す、 針ではなく回転する表示機構によって時を表現する独創的な世界をご紹介しています。 Trente-Deuxトランテ・ドゥ、 Trente-Deux Secretトランテ・ドゥ・シークレット、 自社製マニュファクチュールムーブメント X-Nihiloエクス・ニヒロ...